5.23

ちょっと疲れがたまってきたりして、自分に自信がなくなってきた時、たまたま仕事がゆっくりな日があった。9時半くらいに起きだして、10時過ぎてから家を出た。よく晴れている。夏の訪れを感じる。半袖の人も多い。何にも気にしなくていいよ、と街が言っているようだ。

こんなときは、なんか気分のいい曲を聴きたいなぁ、と何気なくサニーデイ・サービスの「Birth of a Kiss」というライブ盤を聴く。「baby blue」から「恋におちたら」の、穏やかで優しくも、漂う緊張感。何かが違うだけで崩れてしまう砂の城のようだ。今が当たり前じゃないとでも言うような。パリッと乾いた空気に、なんのエフェクトもかかっていないクリーンなギターの音が響く。響くというよりも、鳴る。すぐそばで、鳴っている。ベースとドラムも、まるで家で練習しているかのように、さりげない音だ。

あぁ、これだなぁ、これだよなぁ、と思いながら電車に乗る。人は少ない。こんな時間では。

やんわりと車内には冷房が効いている。そんな季節になった。

5.20

なんだか偉そうな物言いになってしまうけど、色んなバンドの音源を聴いてるうちに、こんなん聴いてるくらいなら自分のバンドの音源聴くわ、という気分になる時がたまーにある。自分のバンドは、自分のためだけにやってるので、自分が良いと思うのは当然なのである。じゃあ、自分のバンドをずっと聴いてればいいね!と問われそうだが、そういうわけにはいかない。なぜか。それは自分の頭の中にあるものなんて、たかが知れていて、つまらんからである。だから、バンドの曲作りも、偶発的な要素が十分に絡んでくる。そして、メンバーひとりひとりの個性やエゴ、失敗やアイディアが、俺の見たことない、頭の中にないモノをぶち込んでくれるのである。これは、楽しい。バンドの醍醐味。もちろん、自分の中にあるものを完璧に再現することに面白みがある人ももちろんいて、そういった才能のある人たちはそこに尽力するわけで、それはそれで素晴らしかったりする。これは、タイプの違いでしかない。優劣はない。天才という存在は、今は考えない。

 

夏のライブに向けて、バンドを仕上げていくこと、そしてその企画に向けて段取りや準備をしていくこと。これが産む作用は、非常に大変で気分も上がり下がりしてしまうが、でも基本的には楽しい。それは、夏に向けて、というのが大きい気がする。夏になんか、でかいことがある。そんな単純でバカっぽいことでも、ワクワクしてくる。夏来ちゃってんじゃ〜ん!遊ばなきゃウソウソ!というチャラい香りは、全くしない。汗臭さと泥臭さ。あとイカ臭さ。あと酒臭さ。そんな夏へ。今年もやっていく。

5.16

先日、企画のスタジオを押さえてきた。毎年、朝イチで高円寺に向かう。何度も何度も見た街の、朝の景色は慣れないが、駅に降り立った瞬間、その「馴染み」に、落ち着いてる自分がいる。おそらく一番通った街。一番遊びに行った街。

毎年店長が丁寧に対応してくれる。予約を無事に済ませた。今年はバンド数が多くなりそうなので、2ステージにしたかったが、少し前から1ステージのみになったらしい。やむなく1ステージで、とりあえず去年と同じ時間を借りる。

 

時間に限りがあるとなると、闇雲にバンドを呼ぶわけにはいかない。俺のモットーとして、前年に呼んだバンド全てに声をかける、というものがあるのだが、去年時間的にマックスだったのだから今年はひとつも新しい人たちを呼べないことになる。これはなんだか新鮮味がない。だから新しい人たち、何組か想定しているのだが、呼びすぎてみんなOKだったらどうしよう…という不安により、誘いを尻込みしてしまっている。断られること前提に誘うなんて本末転倒。なんとも。かんとも。

それでも今年も企画ができるという喜びが大きい。楽しくやりたい。ただそれだけ。何かがある、などという期待や思惑もない。楽しい時間がある、ということだけ。

 

仕事からスタジオ、疲れて帰宅。一本チューハイを飲む。テレビを見る。オクラと納豆を和えたものを食べる。豆腐を食べる。もうすぐ、眠る。

 

4.9

俺くらいの社会不適合者ともなると、まともにできることの方が少ない。ましてや人と何かをするなんてことは。バンドもそう。社会学に否定された俺たちが、逃げ込むように辿り着いたのがバンドなのだと思っていたが、ここにもまた小さな社会があるのだ。

 

誘いたいドラマーに連絡を入れるのだが、なんだかかしこまりすぎて長文になっている。

サクッと、ドラムやってくんね?と送ればいいのだが、ついつい余計なことを付け加えてしまう。可能性はまぁまぁ低いお願いなのだが、なぜだかやってくれるという確信がある。なぜだろう。

3.24

時間が過ぎるのが早い。次の給料日まであと何日かしら。安酒飲みながら。

 

朝から仕事して、仕事中頭の中にメロディーが浮かぶ。バンドのアレンジが浮かぶ。それをトイレに行くフリをして、こっそりとボイスメモに録音をする。よしよし、あとは帰って急いで家でギターを弾こう。と思うのだが、帰ってとりあえず風呂に入り、飯を食うついで軽く飲酒などするともう何もする気になれない。手を伸ばせば届く距離にあるギターに手が伸びない。テレビ、スマホ、漫画。そんなインスタントな娯楽に溺れていく。そして、寝る。最近は0時回ったくらいには寝ている。情けない。

アフターファイブで、働きながらバンドをやるということには、時間の確保はもちろんのことだが、何より大事なことはモチベーションの維持である。これは、昔からロッキンオンなどでバンドのインタビューなんかを読んでも、皆一様に言っていた。モチベーションが下がらないよう定期的にライブを入れた、とか、海外へ行ってみた、とか。なんじゃそら、と若い時分は思っていたが、今はわかる。トキメキのようなもの(ダサッ)を、不足しないように取り入れていかなければならない。締め切りを作らないと、やる気が起きないというのもそう。同じこと。向井秀徳岸田繁も、言っていた。

 

とりあえず俺は友達のバンドの音源をたくさん聴いた。なるほどなぁ。面白いアレンジだなぁ。ドラムがいい音だなぁ。ベースラインが単調だけど気持ちいいなぁ。声がいいなぁ。歌詞がイマイチだなぁ。など。

そしてYouTubeで、カッコいいバンドのライブ映像をたくさん観る。fOULは痺れるなぁ。bedは音がいいなぁ。WEARE!はやはり究極だなぁ。CHAIってこんな感じなのかぁ。Q AND NOT Uは最高だなぁ。THIS HEATはアガるなぁ。バンアパの演奏動画観るかぁ。原さんのベースはキモいなぁ。ギター博士の、ジャガージャズマスターの違いはなんじゃ?という動画観るかぁ。瀬戸弘司の動画観るかぁ。など。

 

今仕事をサボりながらこれを書いている。春はやる気が起きない…が、そうも言ってられない。

とりあえずスタジオに入るべく、各位に日程確認。迅速かつやる気のある連絡対応に、俺も鼓舞される。その後、週末の花見の諸連絡。これも大事よ。