5.12

意志強ナツ子先生の漫画を読むと、人間のやりとりはそのわずかな隙間にこそ意味があるのだと分かる。分かる、というかそう思えてくる。1秒の逡巡に、本当の気持ちは存在し、その1秒後にはまた違った感情が沸き立つ。

銀座線の中は、いつも微妙な温度というか、空気というか、いかにも地下を走ってます という感じがする。地下の暗さこそ似ているが、副都心線に宿るあの冷たく空虚な暗さではなく、いかにも土着的で、人の生々しさを感じる暗さだ。この「ぬるさ」が、あまり好きじゃない。もっと副都心線のように、ぶっきらぼうに突き放してほしい。(といっても、東横線と繋がってからの副都心線はあまり好きじゃない。都心の暗さの象徴のように冷たくドライに地下を走る副都心線と、明るさの象徴のように地上を駆け横浜へと向かう東横線を繋ぐ、なんて本当に「分かってない」。便利にはなったのだろうけど。)

 

人生には大切なことがいくつかあるが、それは豊かに生きることで、つまりは自分のやりたいことをやることである。

明日は休みだから、好きな映画を見よう とか 買い物に行って本を買って、ラーメンを食べて早めに帰ってゆっくりしよう、とか そんなことが豊かさを運び込む。だが、意外にもそんな風にうまくはいかなかったりもする。急な予定が入ったり、ラーメン屋は休みだったり、いい本が見つからなかったり、お金がなかったり、トラブルがあったり、誰かに呼び出されたり、嘘をつかれたり、急に悲しくなったり、する。そんなことが、1秒1秒に入り込んでくる。それがなかなかうまくいかない理由である。それを作り出すのはだれか。それは分かっていない。

とりあえず、銀座線は長い。いちいち止まる。(当たり前だが)。

そうなると漫画でも読むのが、有意義な時間の使い方というもので、そうやってまた豊かな時間を過ごす。

というかそもそも、明日は休みなのだから。